古びたトタン屋根

トタン屋根の基礎知識及びメンテナンスについて


※トタン屋根とは?

トタン屋根とは金属性の板を亜鉛でメッキ加工することによりサビに強くした屋根素材です。瓦屋根などと比べると薄く軽く、安価なため向上などの屋根素材として使用されています。ガルバリウム鋼板のご先祖となる屋根素材で後に登場したガルバリウム鋼板と比較した場合、ガルバリウム鋼板は銅版にアルミニウムをメッキしさらに亜鉛をメッキした素材になり、耐久性がトタン屋根よりも向上した屋根素材です。
ただし、トタン屋根と違い耐久性が向上した分、価格も高上したため、一般住居に使用される素材です。


※トタン屋根が生まれた理由

トタン屋根が生まれた理由は軽い屋根を必要とし、雨風を防ぐことができればよいということから生まれた屋根です。
これはすでに江戸時代から瓦の代わりとして銅で作られた瓦や鉛などを材料として屋根を作っていました。江戸時代の人々もより軽く耐久性の高い屋根素材を試行錯誤して作っていたと言うことになります。
その後、明治時代になり本格的に金属性屋根が使用されましたが、関東大震災や積み重なる災害により、屋根となる金属に重さなどの他大量に生産できないという問題からさらに軽さのある金属屋根として登場したのがトタン屋根です。トタン屋根は非常に薄く台風などの災害で飛んでいってもぺらぺらなため怪我をしにくいということもあり関東大震災以降、工場などに使用されています。

波打った個性的なトタン

※トタン屋根のメンテナンス

トタン屋根のメンテナンスですがトタン屋根自体の耐久年数は約10年から20年になり、塗装を施すことにより耐久年数を高めることができ、塗料の耐久年数も約7年から15年と様々です。
トタン屋根は金属ですので金属部分が錆びてしまい穴が空いたりすることもありますが、トタン屋根は修理も簡単に行うことができ穴の開いている箇所の上からトタンを貼り付けるなどで処理をすることもでき、簡単に取り外すことができますので取り外して屋根を張り直すことでも修繕できます。
穴さえ開いていなければメンテナンスは容易で、穴が開いている場合に置いては穴の開いている箇所を張り替えるか穴を塞ぐ必要があり、穴を塞ぐ場合はシーリング材を使用することで穴を塞ぐことが出来ますが再度塗装をしますのでシーリング材で穴を塞いだ箇所をヤスリなどで平らにする必要があります。
この時、表面のメッキを剥ぐことになりますので、その剥いだ上にサビ止め効果のある塗料を塗り塗装を施す必要があります。穴が開いていない場合はサビ付いている箇所をヤスリがけして、サビ止め効果のある塗料を塗装します。
ただし、穴が開いている物、空いていない物どちらに関しても一度、洗浄する必要があり、トタン屋根に付着した余分なゴミを取り除かなければ塗料がトタン屋根にうまく乗らず剥がれ落ちる可能性も高いため注意が必要です。トタンは釘やネジなどで止めていますので全て取り外してから地上で洗浄し塗料を使用して塗装するなどをすることができますので、安全を考慮する場合、地上で全ての作業を行うと怪我をする必要はなくなります。


※トタン屋根のメリットデメリット

トタン屋根を使用するメリットは、屋根素材として軽く、最近のトタン屋根はさらに薄くなり剛性も上がったため耐久性が高くなっています。そのため、台風などで屋根が吹き飛ばされて人にぶつかっても怪我をしにくくなっています。そのため、工場の屋根など屋根素材を大量に使用するような場所の屋根素材として使用されることが多いです。
また、素材1枚当たりの価格がとても安い上に雨漏りにも強いため向上向けの素材として使用されており、国外でも住宅用の屋根素材として使用している国もあります。
ですが、デメリットもあります。一つは亜鉛でコーティングをしていますがコーティングの膜が剥がれてしまうと金属が露出しサビ付いてしまいます。瓦屋根などと違い金属であるため、サビには弱く、サビ付いてくると穴が開いてしまいます。
また、防音効果は一切なく音漏れしやすいため、住居に使用した際、生活音が漏れてしまうという特性もあり、あくまでも雨や風を防ぐための物の屋根であるという点です。しかもトタン屋根は釘やネジなどで屋根素材を止めますの台風などの風を受けた場合、軽さもあり吹き飛ばされやすいという特性があります。ネジごと、釘ごと外れるためトタン屋根を止めている場所が脆くなってくるという問題もあります。トタン屋根は地震には強く軽い屋根なため揺れなどには強いのですが台風などにはとても弱く、瓦などのように重さがないため吹き飛ばされやすいのが最大のデメリットです。吹き飛ばされたトタンを回収して再利用する場合でも、トタンが再利用可能な状態であるとは限りませんので吹き飛ばされたトタンの状態を見て再度利用できる物かどうかを判断する必要があります。トタン屋根の素材はあくまで耐久性が高く屋根として雨漏りをしにくいというだけで自然災害には一部弱い素材であるということを自覚しておく必要があります。